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2014.09.04

雨のしずく

雨の日。

子どもたちと川沿いの道を歩いていた。
横に並ぶと傘の幅もあって道をふさいでしまうため、
縦一列になって、私は一番後ろ。

私の前を歩くミギが、ピョンと両足ジャンプをした。
前に跳ぶジャンプではなく、上に飛び上がるジャンプ。

しばらく歩くとまたピョンと両足ジャンプをした。

私は “もしや” と思い、
「トトロみたいに、雨粒たくさん落ちてこないね」と言った。
するとミギは後ろを振り返って、
少し恥ずかしそうにへへッと笑った。

子どもたちは2日前に『となりのトトロ』を観たばかり。
初めて傘を持ったトトロが、
木の葉から傘に落ちる雨の滴の音をおもしろい!と思い、
たくさんの滴を落とそうと、ジャンプをするシーン。
それを真似していたのだ。

一番前を歩いていたヒダリが
「なになに? なんのはなし? おしえてー」ときたけれど、
たぶん、ミギはヒダリに知られたくないだろうと思い、
「何でもないよ~。それより、ちょっと来てきて」と
二人を呼んだ。

歩道の脇に植えられた大きな金木犀の木の下に
二人を立たせて木の幹を蹴る。
バタバタバタバタバタッとたくさんの滴が傘に当たる。

「もういっかい やって!」
また別の木で、バタバタバタバタッ。

「こっちのきでも やって!」
バタバタバタバタッ。

子どもたちは自分でも木を蹴って、
太すぎてびくともしなかったり、
身長より低い木を蹴ってみようとしたり。

でも、ランニングコースにもなっているきれいに舗装された道で、
大人が木を蹴っている小さな罪悪感と恥ずかしさ、
子どもにも木を蹴らせている罪悪感も少しあって、
私からやり始めたことなのに、
「もういくよ~」と早く切り上げさせてしまった。

そういえば『ドラえもん』を見ていた子どもたちに
「かあさん うらやまにいきたい」「うらやまに つれてって!」
と言われたことがある。

うらやまって、裏の山なんだけどねえ。

「母さんが子どもの頃は、裏山や空き地があったんだよ。
 秘密基地を作って遊んだりもしたよ」
「えー!。かあさんのこどものときの おうちにいきたい!」
「今はもう、裏山も空き地もなくなっちゃったんだ」

確かあの裏山にはマンションが建っているはず。
それにもし、今、裏山があったとしても、色々な安全面から、
子どもたちが遊べる場所にはできないだろう。
今思うと裏山も空き地も私有地だったと思うのに、
誰のものということ意識せずに遊ばせてもらってたんだな。

木を蹴って滴を落とすこと、
私は誰に教えてもらったんだったかな。

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