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2012.03.21

大切なもの

ある朝、トイレットペーパーが終わったため
芯のみとなった。

ミギはその芯を、大事そう、嬉しそうに持ち、
「せんせーのとこに(保育園に) もっていく、
あかちゃんに あげる」と言う。

芯ならゴミにしてもらえばいいだけだからいっかと許可すると、
大事そうに上着のポケットに入れた。

保育園に着くと、0歳~1歳児のひよこ組さんのお友達に
宝物をあげるみたいに「はい あげる」と手渡す。
赤ちゃんは一度手にもったものの、
すぐに床に落としてしまった。
“喜んでくれるはず!”と思っていた反応ではなかったと
思うが、まあまあそれなに満足気。
先生に「ただのトイレットペーパーの芯なんですが、
赤ちゃんに持っていくというので」と説明する。

翌日の朝、ヒダリが、
「トイレットペーパーは?(芯は?)」と聞く。
「昨日、保育園に持っていって、ひよこ組さんにあげたでしょ。
今使っている紙が終わらないと、芯は出てこないよ」と言うと、
「でも、トイレットペーパー(芯)がほしい」と言う。
昨日、赤ちゃんがあまり興味がなさそうにしていたから
それなら自分がほしいと思ったのだろうか。
「昨日持っていったのが保育園にあるかもしれないから
先生に聞いてみようね」。

保育園に着くなり先生に、二人して
「トイレットペーパーは?」
「トイレットペーパー?おトイレにあるよ」と先生。

先生に、トイレットペーパーではなく芯を指していること、
昨日から今日の経緯などを話す。
子供たちが通う保育園は小さい園なので、
先生方みんなが子供たちのことを知ってくれているとはいえ、
さすがに芯の行方について全ての先生もが知っているわけもなく、
「そうだったのー。M先生なら知ってるかも、聞いてみて」
とのこと。

隣の部屋に行くとまた二人して
「トイレットペーパーは?」
またここでも、昨日から今日の経緯を話す。

「もしかしたら昨日、テーブルの上に芯が乗っていて
“あー、誰か(子供たち)が使い終わった芯をこんなところに
持ってきちゃって、と思って捨てたやつかもしれない」と先生。

そりゃそうだ。ただの芯がそのへんに落ちていたら、
大人なら誰だってゴミだと思う。

「お名前とか、絵とか描いてなかったんだよね。
ごめんね、先生捨てちゃったかも」と先生。
「誰のだか分からなかったからゴミかなと思って
捨てちゃったんだって」と私。
“えーなんでー”という顔をしつつも、
仕方がないことだと納得したらしく「うん」とうなづく二人。

たかだかトイレットペーパーの芯ひとつで、
朝からあっちの部屋でもこっちの部屋でも
小騒ぎしているのが恥ずかしかったが、
ミギとヒダリの真剣な顔が面白く、
子供にとって大切なものって、
ほんと、大人にとってはゴミみたいなものが多くって、
ちゃんと確認しないと思わぬところで地雷を踏んじゃう、
あぶないあぶないと思わされた朝だった。


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